フェイジョアという果物をご存じでしょうか。パイナップルグアバとも呼ばれる、南米原産の果樹です。苗はホームセンターでも見かけますが、「東京のベランダの鉢植えで、実際に実がなるのか」という話はあまり見かけません。
結論から書くと、なりました。 2020年10月に約50cmの二年生苗を買って、翌2021年の12月に収穫して食べています。鉢は7号、置き場所はベランダ、冬も外に出しっぱなしです。
ただ、いいことばかりではありませんでした。6個ついた実のうち、食べられるサイズまで残ったのは1個だけです。そして正直に書くと、この木はもう手元にありません。 最終的に伐採して処分しました。枯らしたわけではなく、マンションのベランダで育て続けるのが難しいと判断したためです。
実がなるところまでは行けた。でも育て続けられなかった。その一部始終をまとめます。

この記事でわかること
- 二年生苗から2年目で収穫できるまでの流れ
- 1本でも実がなる品種(アポロ)の話と、受粉のやり方
- いちばんつまずいた水切れと、その対処
- 東京の冬を屋外に出しっぱなしで越せたこと
- 収穫の時期が、一般に言われる目安とずれたこと
- 実際に食べた味(例えられ方とは違いました)
- 2年弱でどこまで大きくなるか(約50cm → 1.3m)
- 最終的に手放すことになった理由(落ち葉と場所。ベランダで育てる人はここが本題かもしれません)
結論:東京のベランダでも実はなる。大事なのは3つ
1年育ててみて、うまくいくかどうかはこの3点でほぼ決まると感じました。
- 土を乾燥させない(成長期は朝夕2回の水やり)
- 実をつけたいなら品種で選ぶ(1本で育てるなら自家結実性のあるもの)
- 日当たりを確保する
特に1つ目です。フェイジョアは「乾燥に強い」と紹介されることがありますが、うちの実感は逆でした。 詳しくは後述します。
そしてもうひとつ、育て始める前に考えておいたほうがよかったことがあります。置き場所と、落ち葉です。 うちが最終的に手放すことになったのはここでした。育て方の問題ではなく、マンションのベランダという場所との相性の話です。
育てている株について
2020年10月に、約50cmの二年生苗を購入したところから始まりました。7号鉢に植えて、東京のベランダで育てています。
品種はアポロです。この品種選びが、後から効いてきます。
先に結果を書いておくと、この約50cmの苗は、2年弱で1.3mほどになりました。 7号鉢のままでこの伸び方です。フェイジョアがどのくらい育つ木なのか、目安にしてください。

フェイジョアの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 成長期 | 4月〜11月 |
| 開花 | 6月頃、4cmほどの花 |
| 収穫の目安 | 11月頃(※うちは12月でした) |
| 自家結実性 | 品種による(アポロは1本で実がなる) |
| 剪定 | 3〜4月頃 |
| 好む環境 | 日当たりと風通しがよく、水はけのよい土 |
| 乾燥 | 弱い |
| 耐寒性 | 成木であれば-7度程度 |
| 枝 | 柔らかい |
葉は裏側がシルバーがかっていて、風でなびくととてもきれいです。実がならない時期でも見ていて楽しい木で、シンボルツリーにも向いていると思います。
🌱 この株で使っている(鉢)
この株を植えていた鉢:7号鉢
アポロなら1本で実がなる|フェイジョアの品種と受粉
フェイジョアは基本的に別の木の花粉でないと結実しません。 つまり普通は2本必要です。ベランダで2本というのは、なかなかの場所を取ります。
ただし品種によっては同じ木の花粉で結実します。 うちで育てているアポロは、1本でも実をつけてくれる品種です。ベランダで1本だけ育てたいなら、ここは苗を買う前に確認しておく価値があります。
もうひとつ大事なことがあります。自家結実性があっても、自然にはなかなか受粉してくれません。 うちでは花が咲いたときに、花粉を指につけて他の花に付けて回りました。綿棒を使うほうがやりやすいと思います。



🌿 1本で実がなる品種「アポロ」の苗
うちはこの品種を、約50cmの二年生苗から育てました
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水切れに弱い|成長期は朝夕2回の水やり
いちばん手を焼いたのがこれです。
フェイジョアは全体的に大量の水分を含んでいて、枝もとても柔らかい木です。そのぶん、少しでも水切れを起こすとあっという間に葉が萎れます。

成長期に入ると、非常によく水を吸います。毎朝1回の水やりでは追いつかず、翌日には葉が萎れていることがしばしばありました。 そこで朝夕2回に変えたところ、水切れを起こさなくなり、猛スピードで成長するようになりました。
ただ、萎れてしまっても慌てる必要はありません。すぐに水をあげれば、1時間もすれば回復します。 うちも何度か萎れさせていますが、そのたびに戻っています。

フェイジョアを「乾燥に強い」と書いている記事も見かけますが、少なくとも鉢植えでは当てはまりませんでした。 地植えなら話が違うのかもしれませんが、ベランダの鉢で育てるなら、水やりは1日2回と考えておいたほうがよさそうです。
東京の冬は、屋外に出しっぱなしで越せた
買ってきた当初は、正直なところ不安でした。フェイジョアは耐寒性があまり高くないと言われていて、ただ霜に当たらなければ大丈夫という話もあります。そこで「少しでも元気がなくなったら室内に避難させる」つもりで、そのまま外に出して実験してみることにしました。
結果は、二年生の苗でも、外に出しっぱなしで冬を越せました。 室内に取り込む必要はありませんでした。
同じベランダで育てているマンゴーは10月上旬から6月下旬まで完全に室内なので、フェイジョアはかなり手のかからない部類です。南国系の果樹を初めて育てるなら、こちらのほうが入りやすいと思います。
蕾から収穫までの流れ(実測)
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2020年10月 | 約50cmの二年生苗を購入、7号鉢で開始 |
| 2020〜21年 冬 | 屋外に出しっぱなしで越冬 |
| 2021年4月上旬 | 新芽が次々に出る。追肥 |
| 2021年4月下旬 | 枝先に蕾らしきもの。根元からも新芽 |
| 2021年5月上旬 | 1〜2週間で急に育つ。蕾と確認 |
| 2021年5月30日 | 開花 |
| 2021年6月 | 綿棒で受粉 |
| 2021年7〜9月 | 週1回の液肥。実が膨らむ |
| 2021年9月下旬 | 実が横2cm×縦3cmに |
| 2021年12月 | 収穫・実食 |
| 2022年 | 伐採・処分(樹高およそ1.3m) |
二年生の苗を買って、2年目で結実させることができました。 苗から育てると何年もかかる果樹が多いなかで、これはかなり早いほうだと思います。


🌿 実をつけさせる時期に使う(液肥)
7〜9月に週1回あげていた液体肥料
収穫は12月だった|目安の10〜11月とはずれました
ここは書いておきたい点です。
フェイジョアの収穫時期は、調べると10月頃とも11月頃とも出てきます。うちもそのつもりで待っていました。
ところが9月末の時点で、実はまだ横2cm×縦3cmほどしかありません。卵くらいの大きさになると言われていたので、もう少しのはずだと待ち続けました。

結局収穫できたのは12月です。成長が止まったのを見て、待ちきれずに収穫しました。東京のベランダの鉢植えという条件だと、目安より1〜2か月遅れると考えておいたほうがよさそうです。
もうひとつ注意点があります。フェイジョアは熟すと自然に落下します。 木の上で完熟を待つ果物ではないので、いつの間にか落ちていた、ということにならないよう観察が必要です。
うまくいかなかったこと:6個なって、残ったのは1個
いちばん悔しかったのがこれです。
全部で6個ほど実がなったのですが、途中で落ちてしまい、食べられそうなサイズまで残ったのは1つだけでした。受粉は一通りやったつもりでしたが、最後まで育て切れたのは6分の1です。
原因ははっきりしていません。ただ、7号鉢という容量で6個を同時に育てるのは、そもそも無理があったのかもしれないとは思っています。
食べてみた味|香りは完全にマスカットでした
待ちに待った収穫です。実のサイズはだいたい500円玉程度。表面はザラザラしていて、いちじくのような柔らかさでした。

フェイジョアはよく「パイナップルとリンゴを混ぜたような味」と例えられます。実際に食べてみた感想は、少し違いました。
- 香りは完全にマスカットでした。見た目にも薄い緑が残っていて、まるでマスカットのようです
- 食感はバナナに近い
- 味はリンゴのよう
- 全体的にはラ・フランスがいちばん近いかもしれません
半分に切ると小さな種がありましたが、取り除けるようなものではないので、そのまま食べました。特に気になりませんでした。

結論として、なかなか美味しい実です。1個しか食べられなかったのが心残りでした。
剪定のジレンマ|切れば実が減る、切らなければ置けなくなる
ここが、うちがいちばんつまずいた点です。
フェイジョアはよく育ちます。夏の時点で枝がかなり増えてしまい、剪定したくなりました。ところが剪定すると花芽がなくなってしまいます。 せっかく実がつき始めていたので、その年は我慢することにしました。
収穫を終えた時点で、すでにベランダで育てるには大きくなりすぎていました。 春に剪定する予定を立てましたが、剪定すれば花芽も切ることになるので、翌年の収穫は見込めません。
ベランダの鉢植えで育てる以上、「サイズを抑える」か「実を採る」かは、どうしてもトレードオフになります。剪定の適期は3〜4月です。
その後:伐採して処分しました
結局、予定していた剪定はしませんでした。 そして収穫した翌年(2022年)に、この木は伐採して処分しています。 そのときの樹高はおよそ1.3mでした。
枯らしたわけではありません。理由は2つあります。
理由1:他に育てたい植物があり、場所が足りなくなった
フェイジョアはよく育ちます。約50cmで買った苗が、2年弱で1.3mほどになりました。7号鉢のままでこれです。
高さだけでなく枝も横に広がるので、ベランダのかなりの面積を占めるようになっていました。
そのぶん、新しく育てたい植物を置けません。マンションのベランダは面積が決まっているので、1本増やすことは、事実上1本あきらめることです。どれを残すかを選んだ結果、フェイジョアを手放しました。
理由2:葉がよく落ちる
そして、こちらのほうが決め手だったかもしれません。
フェイジョアは比較的よく葉を落とします。 庭であれば掃けば済む話ですが、マンションのベランダだと事情が変わります。 風に乗って下の階や隣のベランダへ飛んでいくからです。
排水溝に溜まれば詰まりの原因にもなります。落ち葉は自分の家の中で完結してくれません。近隣に迷惑がかかる可能性があるというのが、続けられないと判断した理由です。
これは剪定では解決しません。木を小さくしても、葉は落ちます。
ベランダでフェイジョアを育てるなら
育て方そのものは難しくありませんでした。冬は外に出しっぱなしでよく、水やりさえ気をつければ2年目で実もなります。つまずいたのは育て方ではなく、マンションのベランダという場所との相性でした。
これから育てようとしている方に、先にお伝えしておきたいことが3つあります。
- 落ち葉を受けられる置き方ができるかを先に考えてください。ベランダの手すり際や風の通り道は、葉が外へ出ていきやすい場所です
- 苗を買う前に「毎年剪定する」と決めておくこと。切れば実は減りますが、場所の問題は抑えられます
- ベランダの面積に対して何本まで置くかを決めておくこと。フェイジョアは1本で場所を取ります
逆に言えば、庭や、落ち葉が外に出ない環境であれば、かなり良い木だと思います。育てやすく、実もなり、葉も美しい。場所さえ合えば、おすすめできます。
よくある質問
Q. フェイジョアは1本でも実がなりますか?
品種によります。基本的には別の木の花粉が必要ですが、アポロのように自家結実性のある品種なら1本でも実がなります。 うちは1本で収穫できました。
Q. 自家結実性なら、受粉作業は要りませんか?
やったほうがいいと思います。自家結実性があっても、なかなか自然には受粉してくれません。 綿棒や指で花粉を他の花に移してください。
Q. 東京で冬越しはできますか?
うちは二年生の苗を、屋外に出しっぱなしで越せました。 霜に当たらない場所であれば、室内に取り込まなくても大丈夫そうです。
Q. 水やりはどのくらいですか?
成長期は朝夕2回です。1日1回だと翌日に葉が萎れることがありました。萎れても水をあげれば1時間ほどで回復します。
Q. 苗を買ってから何年で実がなりますか?
うちは二年生の苗を買って、2年目に収穫できました。苗の年数によって変わると思います。
Q. どのくらい大きくなりますか?
うちは約50cmの二年生苗が、2年弱で1.3mほどになりました。7号鉢のままです。高さだけでなく枝も横に広がるので、ベランダに置くならこのくらいになる前提で場所を考えたほうがよさそうです。
Q. 葉はよく落ちますか?
比較的よく落ちます。 マンションのベランダだと、風で下の階や隣に飛んでいくことがあり、排水溝に溜まると詰まりの原因にもなります。うちが手放した理由のひとつがこれでした。庭であればあまり問題にならないと思います。
Q. マンションのベランダで育て続けられますか?
落ち葉の行き先と、置き場所の広さを織り込めるかどうかだと思います。育てること自体は難しくありません。うちは、他に育てたい植物のスペースが足りなくなったことと、落ち葉が近隣の迷惑になりうることから、最終的に伐採しました。
まとめ
フェイジョアは、東京のベランダの鉢植えでも実がなりました。冬も外に出しっぱなしで越せますし、南国系の果樹のなかではかなり育てやすいほうだと思います。
実まで辿り着くために外せないのは品種選びと水やりの2つです。1本で育てるなら自家結実性のある品種を選ぶこと、そして成長期は1日2回水をやること。
そのうえで、マンションのベランダで育てるなら、落ち葉と置き場所を先に考えてください。 うちが続けられなくなったのはそこです。実がなるかどうかよりも、置き続けられるかどうかのほうが、最後は効いてきました。
収穫できたのは6個中1個、実がなったのは1シーズンだけ。2020年の秋に約50cmで買った苗を、2022年に1.3mで手放しました。それでも、東京のベランダで、買ってきた苗から2年でフェイジョアが実ることは分かりました。同じことを考えている方の判断材料になればと思います。
同じベランダでマンゴーも育てています。こちらは二度枯らして三度目の挑戦中です。
→ マンゴーを種から育てる方法|東京で4年育てた記録と失敗


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